自力で空を飛べてしまう生き物『鳥類(飛ばない鳥もいますが)』とは見ればみるほど不思議ですごい生き物だなと常々思うわけですが、そんな鳥類の姿が色んな技術のお手本になっています。
🐦フクロウ
まずはこの方
※Photo by PhotoAC
フクロウは夜の森の中で音もたてずに獲物めがけて舞い降り仕留めます。普通なら大きな羽根の羽ばたきの音で獲物が逃げてしまうはずですが...
フクロウの翼の先の羽根の縁には小さな針のようなのこぎり歯状の羽毛があり、それが空気の流れに小さな渦を生じさせることで音を解消しています。この仕組み(セレーション=空気抵抗を減らす構造)を取り入れたのが500系新幹線のパンタグラフです。
この縦に並んだ波波模様の部分です
時速300kmを超える新幹線の開発中、新幹線の屋根につけるパンタグラフから出る大きな騒音の解消が課題となっていましたが、フクロウの羽根のしくみを応用し、パンタグラフに小さな突起をつけたところ小さな渦が生じ、騒音を抑えることに成功しました!👏
飛行機のようなカッコいい姿
美しい翼と尾翼ですね~
※Photo by PhotoAC
animal-planning.com
🐦カワセミ
次はこのお方
※Photo by PhotoAC
カワセミは魚を狙って空中から高速で水中に飛び込みますが、水の抵抗がないかのごとくほとんど水しぶきが上がりません。この抵抗の少ないカワセミのクチバシの形状を取り入れたのが、フクロウパンタグラフを採用した500系新幹線です。
※Photo by PhotoAC
カワセミ型の形状の成果で走行抵抗が30%減り、トンネル出口での騒音が解決し、消費電力も15%減ったそうです。
この格好、ほんとに新幹線の先頭みたいですね
※Photo by PhotoAC
500系以降の新幹線のデザインには、残念ながらコストの関係でフクロウやカワセミの形状は採用されていません。
ja.wikipedia.org
短い足で前かがみになって、獲物を見つけたかな?
今まさに急降下するところでしょうか
宝石のように美しい川のハンターです
※Photo by PhotoAC
🦔カモノハシも?
鳥類ではないですが、意外なところでこの人も
Photos by イラストAC
カモのようなクチバシがあるのに足が四本、おしりには穴が一つ(鳥類や爬虫類などと同じく総排泄腔)、卵をうむけど子供におっぱいを飲ませて育てる、と哺乳類ですが鳥類と同じ特徴も併せ持つ不思議な生き物です。
700系新幹線の先頭形状にはこのカモノハシのクチバシの形が取り入れられています。空気抵抗を和らげ、車体の揺れを抑える効果があるそうです。
うーん、カモノハシといえばカモノハシかな?
※Photo by PhotoAC
水の抵抗を気にしなければいけない程の
敏捷さは無さそうな感じですがw
※Photo by PhotoAC