空を飛ぶために高性能カスタムされた鳥類の体ですが、呼吸器の造りは特に『神』ってます。
人間をはじめ哺乳類の呼吸は【息を吸う→肺に新しい空気が入る】【息を吐く→古い空気が肺から出る】の繰り返しですが、鳥の場合は息を吸っても吐いても、肺の中には新しい空気が送り込まれる仕組みになっています。
図にしますとこれは簡略化した図ですが、肺の他に『気嚢』という空気タンクをいくつも持っていてポンプのような役割をしています。息を吸うと、新しい空気は肺と後気嚢に送られ、肺を通った古い空気は前気嚢に入ります。
息を吐くと、前気嚢にある古い空気は口から排出され、後気嚢にある新しい空気が肺に送られます。
この仕組みによって、肺の中には常に新しい空気が送られていて、酸素をたくさん取り込んで飛ぶための大きなエネルギーを作り、空気の薄い上空でも酸素不足にならずに飛び続ける事ができます。
さらにこの『気嚢』、軽量化を図るため空洞になっている骨の中に通っているものもあり、体中に空気の貯蔵庫があるようなものです。人間にも気嚢があれば、さらに長時間運動でき、高山病にもならず、その他にも色々良いことがありそう...と思ってしまいますが、この体中に張り巡らされた空気道にはデメリットもあります。
『気嚢炎』は細菌やウィルスなどが入ったり、誤嚥や外傷が原因で炎症になる病気ですが、気嚢は血行が少なく体中に複雑に広がっているので、経口薬や吸引薬が効きにくく重症化したり完治しにくいそうです。先日とくちゃんをナデナデ頬ずりしていた所、うっすら体から雑音が聞こえるような?しかしいまいちはっきりせず、本人いたって元気で食っちゃ暴れているので気のせいだったかもしれません。ヒヨコの時に重症気嚢炎になっており、体のどこかに炎症の元が残っているかもしれないので、寒くて乾燥する時期は注意が必要かもしれません。
せっかく大きくなれたんだから、長生きしてくれよ~とくちゃん
酸素がいっぱい
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