最近ぐっと春めいて猫の恋の季節なんでしょうか、我が家の周りがニャオニャオにぎやかになっており、ふとある作家を思い出しました。
🐥 内田百閒『ノラや』
家で生き物(特に猫)を可愛がった経験があれば感情移入必至であろうこのシリーズ。
内田百閒著『ノラや』と『クルやお前か』。
百閒先生は小鳥を沢山飼っていて鳥の事を書いた本もありますが、これらは庭に入りこんで来た野良猫についての話です。
子猫の可愛さにやられたわけですな
野良子猫は『ノラ』という名前をもらって大変可愛がられますが、ある日庭の木賊の繁みを抜けて出ていって帰らなくなってしまいます。
悲嘆にくれた百閒先生はノラをあちこち探し、迷い猫探しのチラシや広告をたくさん出しますがノラは見つかりません。雌猫を追って旅に出たのか、あるいはノラの身に何か悪いことが…と心配してはボロボロ涙を流す百閒先生。はじめは大の男が猫の事でそんなに泣くかねwと少し滑稽に思いますが、どんどんこちらも悲しくなってきてついもらい泣き、となってしまいます。
内田百閒のノラ捜索広告
大枚をはたいて新聞広告まで
こんな感じかな?
歌の意味は↓このサイトの説明がわかりやすかったです。
ちょっと差がつく百人一首講座 | 小倉山荘
ノラの見た目は薄い赤の虎ぶちで白い毛が多くしっぽは長い、どこにでも居そうな猫ですが、ノラと呼べば返事をするし、百閒先生に可愛がられてとても人馴れしているし、よそでも気に入られて飼い猫になったんじゃないでしょうかね。
どうして居なくなっちゃうかねぇ
我が家では猫を飼ったことはなく、歴代の犬はちょっと脱走しても短時間で必ず帰って来ましたのでこんなに心配する事は無かったのですが、ノラがもし自分の飼い犬だったら…と思うとやはり滂沱の涙がちょちょ切れてしまうわけですw。
twitterで『ノラや』の文章をつぶやくbotを発見しました。百閒先生のユーモラスな文章を覗いてみて下さい。
twitter.com
はるか昔、学生の頃に好きで読んでいましたが久しく読んでおらず『おもしろかったよなぁ』という印象は残っていても細部はすっかり忘れています。これを機に読み返してみようと思いましたが、田舎の図書館は予想以上に蔵書が少ない…見つからないものはオンライン古本で購入しようかと思います。
内田百閒といえば三島由紀夫氏にも賞賛されていたりと、衒い無き美文のイメージですが、自分は面白いな~読んでて心地良いな~と感じるものを読んでいるだけで、文学の格や執筆の技術等はさっぱり解りませんので、なんやかんや語るのはおこがましいwですが、それなりに思い入れがあるわけです。
🐱 我が家の周辺の『ノラ』達
百閒文学を思い出させてくれた『ノラ』どもを少し紹介します。
5年前の写真、この頃からほぼ毎日我が家の庭を通っていく猫です。
シャーシャー言うけど毎日来ます、つかず離れず
この頃は綺麗な若猫です、今は少し老けました
ちょっとは触れますが二度ノミをうつされたので
あまり触らないようにしています
開けとくとしれっと入って来ますが
ビビリなのですぐ出ていきます
人間が外に出ると逃げるので、戸のすき間からヒモで遊んでいる所
ヒモに大ハッスルですw
オレンジ色のはこの辺りのボスのアントンJr.です
他の♂を頭の上から威圧しています
ゆっくりこそ~っと逃げて行くサバ猫
どーすかこのアントンJr.の迫力ガンたれ顔w
完全にオッサンですね
野良猫の寿命は2~3年だとどっかで見ましたが、うちを通るノラは5年以上生きているのできっと世渡り上手なんでしょう。病気せずいつまで元気にパトロールできるでしょうか?見た感じはあと5年はいけそうです。