うずら話 - ヒメウズラの生活

と鳥に関する雑学、たまに旅のエピソードやレトロな話などのんびりと

* * * お す す め * * *

雑記 書籍『鳥を読む ~文化鳥類学のススメ』細川博昭著

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図書館でいい本を見つけましたのでご紹介。(これを書き終わる寸前で久ちゃんが急逝してしまい、服喪にそぐわない雰囲気かもしれませんが読んでいただけると幸いです。)

📖『鳥を読む ~文化鳥類学のススメ』細川博昭著 2023.6.30初版

『国や地域を比較したかたちの鳥の文化誌』(あとがきより)です。この著者は鳥に関する書籍をいくつも出している人です。
www.shunjusha.co.jp
この本にはうずら話にとって見逃せないコンテンツがあるのですが、それは...

目次はこれ↓太赤字の部分にご注目

【目次】
はじめに
第1章 ハト(鳩)とイエバト(鴿)~伝説の中のハト
補 章 ハトとドードー
第2章 スズメとイエスズメ ~スズメの立ち位置
第3章 アオサギとハイイロペリカン ~かつて神だったアオサギ
第4章 インコとオウム ~人の言葉を話す鳥 / 文学、日記のなかのインコ
第5章 ウグイスとヨナキウグイス ~「ウグイス」と翻訳された弊害
第6章 ムクドリホシムクドリホシムクドリの会話能力
第7章 カナリア ~炭坑のカナリア
第8章 カッコウとキツツキ ~カッコウは縁起が悪い?/ ひそかに森を助けるキツツキ
第9章 ミソサザイコマドリミソサザイコマドリの接点
第10章 ウズラ ~鶉月
第11章 ヒバリ ~ヒバリが天高く揚がるわけ
第12章 トビとミサゴ ~烏天狗はトビだった
第13章 ハクチョウ ~白鳥処女説話 / ハクチョウは人類よりも古い
第14章 カラス ~「スケアクロウ
第15章 ウ ~鵜飼のウと鵜呑み

あとがきにかえて
索引――鳥
索引――その他の事項
参考文献

なんと『第10章 ウズラ』!まるまる一章ウズラの話、これは嬉しいです✨しかし『鶉月』だけでは内容の予測がつきませんね。
第10章内容の見出しはこれ↓
1. ウズラという鳥のイメージ
・ 鶉月 ・ ウズラとは? ・ ウズラの飼育
2. ウズラを飼う楽しみ
・ 鶉合 ・ 巾着鶉 ・ 闘鶉

この本の『ウズラ』はヒメウズラではなく『日本ウズラ(Japanese Quail)』や『ヨーロッパウズラ(Common Quail)』の事です。


日本ウズラ『わがはいのことです✨』

どの項目も面白かったのですが、一部ネタバレ的に紹介します。

鶉月』の読みは「しゅんげつ」「じゅんげつ」で旧暦五月の異称であり、旧仮名遣いでは「うづらづき」と書いたそうです。由来はよくわからないそうですが、日本ウズラの繁殖期が4~9月ごろなので、4月に生まれたヒナが5月には大きくなって野山にたくさん現れたからでしょうか?理由を考えるのも楽しいです。


ウズラの名は「叢(くさむら)に『うずくまる』もの」
から来ているという説が有力

『日本におけるウズラの飼育は、室町時代に武士が愛玩を目的に飼い始めたのがおこりとされる』そうで、『江戸時代の初期にはウズラ飼育人口が大きく増加。愛好者のニーズに応えるかたちで、よい鳥に育てるための指南書『鶉書うずらのしょ)』(蘇生堂主人、慶安二年/1649)も書かれた。』とのこと...いい時代だな~!w 『鶉書』では、良い鳥の選び方から病気の対処法まで、問答(Q&A)方式で解説されてるそうで、是非読んでみたいです。
ndlsearch.ndl.go.jp
同じ著者の本で『鶉目利問答書(うずらめききもんどうしょ)』というものもあり、当時ほんとに大人気のペットだったんですね。家禽化のはじまりが家畜としてでなく愛玩用というのも意外でした、大正時代になって採卵目的に改良されたそうです。🥚✨

江戸ではウズラの声を競わせる大会『鶉合うずらあわせ)』があり、優勝するとその鳥には高い価値がついたとのこと、いくらくらいになったんでしょうね?うちのワカ坊やハコたんも『鶉合』に出たらけっこういいとこいくかもしれませんw


オハコ『キョーーーーーーー!!』
どーすかこの雄叫び、鶉合で優勝できるかもしれん!w


驚くと垂直に跳び上がるウズラが怪我をしないように
上部をメッシュ状にした『ウズラ籠』が考案され
飼育下での死亡事故が大きく減ったといわれる
Image from『鳥を読む』

可愛いウズラが激突死しないように専用の立派な籠まで開発されて、大事にされていたのが良くわかりますね😊江戸中期には社会の上層の者たちもウズラ飼育を競い『鳥籠は金銀を鏤め唐木象牙螺鈿高蒔絵にて』と、豪華すぎる鳥籠の描写が残っているそうです。


豪華な籠より、自然の草むらの方が似合う美しい保護色です

可愛い自慢のウズラを連れて歩きたい愛好家によって『よく馴れた声の良いウズラを巾着袋に入れ、腰にぶら下げて市中を連れ歩き、座敷などにおいて人々の前で巾着から出す。すると、急に明るい場所に出されたウズラは声を張り上げて鳴く。』このような訓練をされたウズラが『巾着鶉』と呼ばれたそうです。


巾着鶉の想像図w かわいい

巾着に入って持ち歩かれるのはウズラにとって快適じゃない気はしますが、丸まっちいウズラが丸い袋からひょっこり顔を出した姿はさぞかし愛らしかったでしょう。

↓この本の紹介サイト(春秋社)
www.shunjusha.co.jp

実はヒメウズラの卵を孵化させて飼い始める前に、スーパーで売っているうずらの卵を温めて孵化するか試した事がありますが全然ダメでした。(自作孵化器で温度も湿度も安定せず、今思えばもし有精卵が混じってたとしても成功するわけなかったです。)


成功するとこんな可愛いのが生まれます、体重は6~7g
ヒメウズラのヒヨコの2倍くらいの大きさです

この本を読んでまた日本ウズラの孵化にチャレンジしたくなりましたw✨

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