うずら話 - ヒメウズラの生活

と鳥に関する雑学、たまに旅のエピソードやレトロな話などのんびりと

* * * お す す め * * *

おじいさんの時計

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レトロと言うとシャレ乙っぽいですが、実際は家にある謎にボロ...いや古いものを紹介していくだけのカテゴリーです。

我が家にはオブジェと化し埃の積もったゼンマイ式掛け時計が二つあり、元々は親戚の家にあったものです。家主とその家族もだいぶ前に亡くなり、この時計たちが動いていた家も取り壊されてもうありません。
田舎の貧乏家で購入されたものなので、当時の一般家庭に普及していたお手ごろタイプと思われます。ちょっと前に、ゼンマイを巻けばまだ動くだろうか?と思いおそるおそる巻いてみた所、振り子の挙動が安定しないものの内部メカ的には動く気まんまんのようなので、いずれ本格的に手入れしようと思いつつ未だ放置されています。


ゼンマイ壱号
昭和初期 精工舎 ゼンマイ巻き掛け時計
オンボ●ですが御年約90歳と思うとリスペクトの念が湧いてきます
ネットで少し調べると全く同じものは見つかりませんでしたが、精工舎 (今のSEIKO) から昭和初期に発売された型 (時工舎時計店にリンク)のものに良く似ています。
精工社 巻き掛け時計文字盤
文字盤部分 木部に謎彫刻
ゼンマイ掛け時計の扉の細工
扉の細工の素朴さがゆるくていい味出してます
積もった埃も侘び寂び...ではないな
扉を開けた振り子時計
チャラーン 扉オープンです
振り子時計の扉の裏
扉の裏です
振り子時計のゼンマイ
振り子の後ろに大きなバネ?が見えます
振り子時計の側面の丸窓
両側面に丸窓があります。内部チェック用なのかただのデザインなのか謎
振り子時計のムーブメント
内部を下から見ています。ムーブメント部分です あっさりしていますね
振り子時計の内部
内部はフラッシュ無しだと暗くて見えませんね
振り子時計のゲージ
後ろの壁の下部に振り子の位置を合わせるゲージ
振り子時計のネジ鍵
ゼンマイを巻くネジ鍵
SEIKOの公式サイトには残念ながら過去の製品リストはありませんが、沿革のページ明治28年(1895)から掛け時計の製造を開始したとあります。

ゼンマイ弐号
ゼンマイ振り子時計
アイチという会社の製品だそうです
壱号よりだいぶ若そうですが65歳くらいでしょうか?
この弐号もジャストミート同型は発見できませんでしたが、そっくり兄弟はネットで大量に出てきます。アイチという会社から昭和中期ごろ発売 (時計・メガネ・宝石の専門店イトウ アイチ時計1ケ月巻き時計にリンク)されたものらしいです。
壱号と比べるとちょっとモダンになっていますね、このシリーズでカレンダー表示付のものがありそれは結構いいお値段のようです。
昭和中期の掛け時計の文字盤
文字盤に空いた穴からムーブメントが覗けます
と、こういうデザインの文字盤かと思ったらよく見るとカスタムされてました (笑) 穴の切り口めっちゃギザギザです。
掛け時計のガラスの切子模様
扉のガラスに切子風の模様があります
掛け時計の内部
オープンすると 中に良くわからないものが収納されていますw
振り子も何かの硬貨を代用していますね
掛け時計のゼンマイ巻き用のねじ
弐号のゼンマイ巻きねじです
掛け時計の予備のねじ
内壁に予備のねじを収納する場所があります
掛け時計の側面
弐号の側面には窓はありません
掛け時計のムーブメント
ムーブメントのアップ 中々かっこいいです
なんだか古道具屋のブログみたいになってますが...😁。
この長いこと放置されていた時計たちをいじる気になったのは、近年の日本列島を襲う大災害の度に電気の供給がストップし生活がままならない被災地の状況を見ていて『電気なしで稼働するものが身の回りに本当に無いよな...』と思い、探してみた所この御二方がイター!という訳です (まあ掛け時計が動いても災害時にとくだん役立つわけではないですが)。

この時計たちが働いていた家の写真がありました、おじいさんとおじいさんの妹さんも写っています。妹さんは子供の頃小児まひになり、足が不自由になり足を曲げて座れなくなったそうです。

昔の田舎のおじいさんの家
田舎のおじいさんの家 TVでやっているのは笑点っぽいなw
周りは田んぼと山と小川で近所の家もぽつりぽつり、という田舎のつましい暮しの家です。三丁目の夕陽なんかこれと比べたら超ハイカラな都会のお話ですね (笑)。

自分の知らない時代の人達の日々の生活を見てきた時計なのだなあと思うと『大きな古時計』のような豪華時計ではないですが、アンティークに興味の無い私にも古いものの価値が解るような気がします。
いづれはきちんと調整し動くようにしたいですね、そしてこういう時計を末永く大事にして頂ける人 (オンボ●でも可、の方) に譲れたら良いなと思います。
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話は違いますが、歌の『大きな古時計』の日本語の歌詞は元の歌詞 (英語) を語呂を良くする&直接的表現をぼやけさせる等、意図的に変更している箇所があるそうです。
www.worldfolksong.com
三番については丸ごと削除されています。三番の歌詞の中に『召使い (servant)』という言葉が出てきて、おじいさんは黙々と働き続ける時計よりも良い召使いはいない、と時計を誉めています。
時代から言ってこの召使いというのはいわゆる奴隷の事ではないでしょうか。日本には人種を基準にした大規模な奴隷制度は過去ありませんので、このservantをどう表わすか?しかも児童向けの唱歌の歌詞にはちょっと...という今で言う『ポリコレ』的な配慮により三番は削除されたのでは、と勝手に推測します。
日本語バージョンだと、朴訥としたおじいさんがそんなに大きくない家にはそぐわない大きな時計と共に、淡々とした一生を送って亡くなるという (私の) 印象ですが、英語バージョンの三番があると屋敷に住む地主のおじいさんの豪華大時計?と思えてしまい、ノスタルジックな雰囲気が台無しです。ので、日本語バージョンの歌詞は日本人のハートを見事に掴んだベストアレンジであるよなあ、と感心した次第です。

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